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8月から実証検証 エンジン遠隔制御のGMS アクティオと協力 建機リースやデータ分析も

投稿日:2017年7月26日 更新日:

 車エンジンの遠隔制御機器を手がけるベンチャー企業、グローバルモビリティサービス(GMS、本社・東京都)が8月からタイで実証検証を開始する。建機レンタル大手のアクティオと総代理店契約を交わし、アクティオが貸し出す建機や車にGMSのエンジン遠隔制御専用端末「MCCS」を搭載する。リース代が支払われない場合、遠隔でエンジンがかからないようにすることで信用を担保する仕組みで、GMSの中島徳至社長は「これまで与信が得られなかった零細企業も事業ができるようになるほか、IoTの利用で新たなデータを取り込み幅広い事業の展開ができる」と期待を込める。
 GMSはフィリピンでローンを組めない低所得者向けにMCCSをつけた三輪車「トライシクル」での運用実績を持ち、これまでにカンボジアやインドネシアでも2輪や4輪を中心に事業を開始してきた。タイでは建機や農機、発電機器などに事業を拡大する。給油をタイムリーに感知するシステムを新たに構築するなどタイで新ビジネスを模索する。
 GMSの専用端末「MCCS」では、リース事業者側はGPSで位置情報を追跡できるために車両の回収が容易でリスクが減らせるほか、端末を搭載した車両を低所得者に提供することで、低所得者が収入を得ながらリースやローン料金を支払えるようになる。フィリピンでは現在までに約500台に搭載している。来年3月に3000台の貸し出しを目指している。
 GMSはタイで8月からの実証検証後、10月に試験導入を開始する。中島徳至GMS社長は「タイでは建機需要が高いが、与信審査がまだまだ難しい」として、通常の審査に通らない事業者を支援したいと話す。
 アクティオ(タイランド)の免田豊和社長によると、タイではすでに住友建機など数社から引き合いがあるという。免田社長は「ゼネコンなどでは建機の稼働状況で就労管理なども考えられる」とMCCSから得られるデータを武器に幅広い事業を模索する。

与信、人からモノに
GMSの中島社長
 24日にタイの日系企業にMCCSの説明会を開いた中島社長は「将来、与信は『人』から『モノ』に移行する」と予想する。モノ自体にローンを組んでおけば、貸し倒れになったとしても、次の所有者が途中から支払いが完了すれば、販売側の利益は変わらない。
 フィリピンではタクシー組合からの推薦で、タクシー車両のドライバーを紹介してもらっており、「もしデフォルト(貸し倒れ)になっても同じ車両を異なるドライバーに貸し出すことも想定している」という。
 MCCSを使いモノを管理することで、新興国に眠る新たな「信頼のビジネス」の展開を目指している。(高橋佳久)

 

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