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数年で5局に減少か 開始3年のデジタルTV放送

投稿日:2017年8月10日 更新日:

 2014年5月25日に地上デジタル・テレビ放送が始まってから今年で3年が経つ。30近いデジタル放送局が激しい競争を繰り広げる中で、BECワールドのプラチュム・マリーノン社長は「今後3年で生き残るデジタル放送局は5局」と予想する。質の高いコンテンツの維持や各局との差別化と同時に、SNS大国ならではの「視聴者に拡散されやすいコンテンツ作り」も生き残りの鍵になる。(小沢蕗子)  

イトサラさんが扮するドリアン歌手=イトサラさんフェイスブックページ

 ニールセン・タイランドの調査によると、国内テレビ放送局の6月の売上高上位3位は国内で人気を二分するチャンネル7を運営するバンコク・ブロードキャスティング&テレビジョン(BBTV)とチャンネル3運営のBECワールド、次いで歌番組「ザ・マスク・シンガー」が好調のワークポイントTVだった。
 タイ商業会議所大学コミュニケーション・アーツ学部のマナ・トリーラヤピワット学部長は今年下半期にデジタル放送の競争がさらに激化すると予想。3~4年後に残るデジタル放送局は10局程度としている。

■総合チャンネルは経営厳しく
 国家放送委員会のアディサック・リムプルンパタナキット前委員長はデジタル放送局を「ニュース専門」「バラエティ専門」「総合」の3つに分類する。3グループの中で最も運営が厳しいのはニュースやバラエティを放送するMCOTやタイラットTVなどの総合チャンネルで、開始3年で7局の累積売上は230億4000万バーツ、損失は30億バーツとなり、最も赤字幅が大きかった。
 ニュース専門チャンネルはネーションTVやボイスTⅤなど報道に特化した6局。6局の累積売上は40億3000万バーツ、損失は30億8600万バーツだった。アディサック氏によると、45~50%売上げを増やすとともに、年間4億5000万バーツ超の収益を上げることで運営を維持できるという。

■ザ・マスク・シンガーの成功
 一方で、業績を上げているのはバラエティに特化したSDチャンネル。特に歌番組「ザ・マスク・シンガー」を放送するワークポイントTVで、ほかの局が純損失に苦しむ中で昨年の純利益は1億600万バーツとなり、6月のゴールデンタイム視聴率(バンコク)は大手のチャンネル3と7を上回る快挙を見せた。アディサック氏はワークポイントTVの成功を「コンテンツの創造性と質の高さ」にあると分析する。
 同番組では覆面をつけたタレントなどが正体を隠して勝ち抜き形式の歌合戦を繰り広げる。視聴者が歌手の正体をSNSで予想し合うことでさらに人気が広まっていった。番組から誕生したドリアンの覆面を被った歌手は商業省がドリアンのプロモーションへの利用で目をつけるなど社会現象となった。
 メディア・インテリジェンスのパワット・ルアンディウォラチャイ副社長は「デジタル放送開始にともなう多チャンネル化で視聴者の選択肢が広がり、テレビ産業は変革を迫られている」と話す。広告主と視聴者の両者を引き付けるコンテンツ作りに加え、ニッチな市場へのアピールが必要不可欠とした。 

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