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きょう、前首相に判決 クーデタ以来最大の政局分岐点か 籾米担保融資の損害

投稿日:2017年8月25日 更新日:

 インラック・チナワット前首相が在任中の2011年から14年までの約3年間に農民支援の目玉政策として実施した籾米担保融資制度が国家財政に多大な損害を与えたとして、インラック前首相はじめ当時の政権の閣僚や高官が職務怠慢などの罪に問われた裁判の判決が25日、最高裁の政治職者刑事法廷で言い渡される。判決の内容によってはタクシン派の反発が一気に強まり、14年5月のクーデタ以来の軍政下で最大の政局分岐点になる可能性を指摘する声もあり、緊張が高まっている。
 被告はインラック氏のほか、制度に絡んで農民から買い上げた余剰米処分のため、架空の政府間国際取り引きを装って秘かに民間に払い下げたとされるブンソン・テリヤピロム元商業相らも含まれている。
 これまでの公判でインラック被告は「貧困に苦しむ農民支援のために為政者として実施した正しい政策だ」と一貫して無罪を主張。前政権与党のプアタイ党も全面支援の構えだ。これに対してプラユット政権は警官約2500人を裁判所周辺に配置して警備するほか、プアタイ党の支持基盤である北部、東北部からの大人数の移動を軍、警察を動員して監視する厳戒態勢を敷いている。
 検察側の起訴状によると、インラック被告は前政権が推進した籾米担保融資制度により国に約5000億バーツの損害を与えたにもかかわらず、政権の最高責任者として何ら損害を食い止める手立てを講じずに放置したとして、重大な職務怠慢を指摘されている。
 クーデタで実権を握ったプラユット首相(当時は陸軍司令官)率いる国家平和秩序維持団(NCPO)は刑事、民事両面で籾米担保融資制度がもたらした損失の責任追及の構えを見せており、プアタイ党はじめタクシン派勢力と対立している。
 首相は5人以上の政治集会を禁止しているNCPO布告を理由に支持者が裁判所周辺に大挙して集まるのをけん制しているものの、「個々人による支援行動は規制しない」との立場を明らかにしている。
 最終証人尋問が行われた先月21日の公判の際、予想された数倍の約1000人もの支持者が集まった。これは政府の強い事前警告が反発を呼び、かえって多くの支持者を呼び集める逆効果になったとの見方もあり、政権は硬軟の対応策の使い分けに苦慮しているのが実情のようだ。

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