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悲痛な叫び声、涙 シリラート病院に大勢の国民

投稿日:2016年10月14日 更新日:

 国王の写真を頭上に掲げ、泣きじゃくる国民の悲痛な叫び声が、国王が入院中の国立シリラート病院を包んだ。タイの国民から絶大な尊敬を集め愛されてきたプミポン国王陛下が崩御した。
 国王の死が発表された1時間前の午後6時、サートン船着場が国王の色である黄色やご健康と長寿を祈る色とされるピンク色の服を着た国民であふれかえった。シリラート病院に向かうためだ。みな一様に不安げな表情を浮かべ、時折、涙を流す。
 15分で病院前の船着き場に到着すると、国王賛歌を歌う国民の声が辺りに響き渡っていた。車道には人があふれ、前に進むことができない。混乱を防ぐため警察が病院への入場規制をしていた。
 午後6時半、病院に到着すると数千人もの国民が国王の回復を祈って集まっていた。国王の写真を抱きしめ、泣きじゃくる女性、地面に写真を置いて静かに祈りを捧げる男性、抱き合いながら国王の無事を祈る子どもたち。ひとりが国王の名前を叫ぶとそれが周囲に広がり、悲痛な叫び声が辺りに響き渡った。
 午後7時、国王の崩御が発表された。20歳前後の女性は携帯電話の画面を見ながらむせび泣き、地面に崩れ落ちた。国民が国王賛歌を国王に捧げた。タイで今まで聞いたことがない悲しくも重い国王賛歌だ。
 広場にいたトゥム・チャニパーさん(40)に国王はあなたにとってどんな存在かと尋ねると、涙をこらえきれず泣き出した。「一言ではとても言い表せない。私の父であり、国民全員の父」と震える声で話した。タイの国民にとってプミポン国王がどれだけ偉大な存在だったのか、思い知らされる。   (小沢蕗子)

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