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邦人の孤立や自殺防ぐ 「こころのでんわ」タイで16年 在タイ日本国大使館が表彰

投稿日:2017年2月9日 更新日:

 在タイ日本国大使館で6日、平成28年度在外公館長表彰式が行われ、タイで在留邦人の電話相談活動を続ける財団法人「こころのでんわ」が表彰された。長年にわたり在留邦人の心のケアに尽力してきた功績が高く評価された。 (小沢蕗子) 

 「こころのでんわ」の設立は16年前。1997年のアジア通貨危機の経済停滞で影響を受けて在留邦人にも自殺者が出たことを背景に、日本いのちの電話連盟の支援を受けてチャイヤデイロ和子さんが設立した。大使館担当者によると、タイで死亡する在留邦人は年間100人前後で、そのうち自殺者は6~7人で推移している。
 「異国で悩みを抱え孤立する日本人が、日本語で相談できる場を作りたい」心理士の協力のもと、電話相談員の養成講座を開講し、これまで50人以上の相談員を育てた。

若い駐在員と
高齢者の相談増加
 発足当初から昨年12月までの相談総数は1093件。相談者は10代から70代男女まで幅広いが、駐在員の家族としてタイに住み、子どもの教育や子育て、対人関係、夫婦間の悩みを抱える30代女性が特に多いという。
 一方、近年は男性からの相談が増えており、特に30代の駐在員とロングステイビザで長期滞在する60代の独居男性が目立つ。駐在員は以前より若年化し、単身赴任が増えていることもあり、精神的ケアが求められる。高齢者に関しては、寂しさから話し相手ほしさに電話をする場合も多いという。

深刻度合いで
各機関と連携
 相談内容は人生の悩みから対人関係、夫婦間の問題、タイの生活情報、子どもの教育などさまざま。中には自殺思案や貧困、介護放棄など深刻な相談もあり、精神科医や教育従事者など専門家約100人で構成されるバンコクメンタルヘルスネットワーク(13年発足)を通じて病院や専門家を紹介したり、大使館の邦人援護課と連携するなどしている。

在留邦人の
高齢化対策へ
 高齢化する在留邦人対策として、15年に東南アジアで初となる認知症サポーター養成講座をタイで開催した。認知症サポーターは、厚生労働省が創設した支援ボランティアで、認知症の理解を深めて病気の当事者や家族を見守る役割を果たす。
 大使館によると、タイで在留届を提出している在留邦人6万7000人のうち65歳以上の高齢者は1割を占める。

こころのでんわ
 相談料無料。名乗る必要はなく、相談内容も秘密厳守される。電話受付は日・月・火曜の午前10時~午後4時。02・392・2680まで。

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