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春の叙勲に大橋氏 タイで過ごした半生50年 「相手は自分の鏡」

投稿日:2017年5月5日 更新日:

 平成29年(2017年)春の叙勲受章者がこのほど発表され、前タイ国日本人会会長の大橋寅次郎氏(78)が選ばれた。2008年から16年まで8年間務めた日本人会会長と理事としての功績、泰日協会学校の副会長就任など在留邦人団体への貢献、1994年に通商産業大臣賞(現在の経済産業大臣賞)受賞などタイにおける経済開発と経済協力の貢献が主な受賞理由。

■初赴任は27歳
 大橋氏は27歳の時、商社の駐在員として初めてタイに赴任。以来、日本の本社勤務も含めタイとの関わりは今年で51年目。
 「タイ人は愛社精神ではなく、愛人精神」。日系企業が進出し始めた1960年代後半にタイに渡った駐在員の先輩として、若年層の駐在員や邦人に向けて、「相手は自分の鏡。自分を見つめ直せば、心が通じ合う」と説く。

■最良の情報源は
 人の交流
 タイ国日本人会の設立は1913年。今年で104年目となり世界各国の日本人会でも稀な長い歴史を持つが、近年、情報源の多様化やライフスタイルの変化に伴い会員数は減少を続けている。「会員数減少を食い止めることができなかったのは申し訳ない」と心情を吐露した。
 インターネット普及などで情報収集が容易になった半面、すべて分かったつもりになってしまう。「最良の情報は人との交流で得られる」。タイ人とも長く交流してきた大橋氏は実感する。

■大コミュニティーの
 落とし穴
 タイの邦人社会は在留届を提出している邦人だけでも6万7000人を超える大コミュニティーだ。日本人街と言われるトンローやプロムポンには日本語が飛び交い、日本料理店が軒を連ねる。タイ社会やタイ人とほとんど関わらなくても生活が成り立つ。それだけにかえって落とし穴も。
 「数年駐在して、タイ人との交流もなく帰国して行くのは良くない」と訴える。根っからのタイ好きが、タイにいながら目は日本に向けて生活する邦人社会に喝を入れた。(小沢蕗子)
 

【大橋氏略歴】
 1938年11月4日福島県生まれ、63年神奈川大学卒業後、旧木下産商入社。三井物産による吸収合併で一時同社に移籍するが、65年、日野自動車のタイでの販売プロジェクト要員としてタイに。81~86年日野自動車本社に異動するが、その後、タイ日野自動車販売に戻り副社長、社長を歴任し98年定年退職。2001年まで同社相談役を務めた後。ティレキー&ギビンズ・インターナショナル法律事務所上級顧問に就任。08年から16年までタイ国日本人会会長。78歳。

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