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5千棟が防火設備不安 バンコクのビル 専門家が懸念 「立入り検査実施を」

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 先週、70人以上の犠牲者を出した英ロンドンの高層住宅火災を受けて、バンコクでも高層建物の防火体制への不安が広がっている。専門家は、首都に現在ある5000棟以上が規定の防火安全基準を満たしていないと指摘。ビル所有者に対して早急に安全基準を満たす改装を要請するとともに、国内に約2000人いる建築物安全監視担当者が法令に従って厳格なビルの立入り検査を実施するよう呼び掛けている。

 ビル安全監視者協会(BSA)のワサワット・キシリティーラパット会長によると、バンコク都内に現在ある約1万棟のビルは1992年施行の建築物管理法(建築基準法に相当)に基づいて安全監視員による年1回の検査を受けて毎年、「Ror1」と呼ばれる安全証書の交付を受けなければならない。この安全証書がないと、ビル所有者は直ちに6万バーツまでの罰金が科されるほか、監視員の検査を経て証書が交付されるまでの期間、1日当たり1万バーツの支払いが義務付けられている。
 ワサワット会長によると、ビル1万棟のうち、かなりの所有者が娯楽業などの違法営業や防火体制の不備が発覚するのを恐れて、年1回の検査を逃れており、こうした所有者のビルの数が半数に上るとみられている。
 建築物管理法では、高さ23メートル、延床面積1万平米以上のビルを新しく建てる場合、火災報知機、スプリンクラー、非常出口などの設置が義務づけられている。しかし、20年以上前に建設されたビルは新築の段階ではほとんど防火設備が施されておらず、毎年の検査で指摘されて設備補強を進めているのが実態。
 多くの客が宿泊するホテルや、工場は操業に影響するため、基準を守っているところがほとんどだが、ナイトクラブなどの娯楽施設が「危険に最も晒されいる業種」(ワサワット会長)とみられている。

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